洗濯機の主張(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
俺は洗濯機。
HITACHI 2015年製のビートウォッシュだ。
今は 白峰とか言う奴の家で働かされている。
仕事は主に、朝方。
タイマーで8時間後に設定される事が多い。
朝方仕事が終わった後、白峰は少量の洗濯のため、もう一度俺を使う。
この家に来て2年。見た目は変わらないが、中はちょっと汚れが酷い。
白峰は月に一度は俺の中を掃除するが、仕事が少し中途半端で、ぬめりが完全には落としきれてない。
しかも、洗濯槽の掃除をするのは俺の為じゃない。洗濯物に汚れが付かないようにする為だ。
もう少し労って欲しいと思う事もある。
だが、白峰はこんな俺に気づきもしない。
何とかならないものか?
俺は考えた。
そうだ‼︎
ちょっと休憩しよう!
すすぎ1回コースはいつも白峰が使うだろう設定だが、洗いが終わった後
俺は休憩してみた。
白峰は歯を磨きに洗面所に来ていたが、沈黙している俺を見て固まっていた。
きっ 気がついたのか⁉︎
み み 見てるぞ!
訝しげにこちらを見ていた白峰の顔を 俺は忘れないだろう。
白峰は「? 壊れたかな?」
と言って、俺のスイッチを一度切って、もう一度入れた。
そして俺はすすぎから動き始めた…
次の日、白峰は俺の中を洗ってくれた。
いつものような雑さはなく、丁寧に洗ってくれた。
そして中身のスッキリした俺を見て
「相棒、今日もよろしく頼むぞ」と言って俺の頭を静かに閉じた。
俺は働く。
白峰が必要としてくれる限り。